[文・写真]Jimmie Soul
[協力]Billboard Live
初来日、記念すべき日本最初のステージとなった《Billboard Live OSAKA》の1stショウ。定刻の16時、待ちわびたオーディエンスの熱気で満ちた会場にメンバーが現れ、瑞々しいインスト・ナンバーが鳴り響いた瞬間から、胸の高鳴りが抑えきれなかった。
“Love Comes Easy” “Lucid Girl”へとシームレスに流れ込む展開で、まず耳を奪われたのがSal Samanoのベース。チカーノ・ソウル直系の甘くヴィンテージな音像から想像するよりも遥かにアグレッシヴで、その饒舌なベース・ラインが強固なグルーヴを牽引した。Joshua Laneのヴォーカルはアルバム音源以上に伸びやかでダイナミック。そこに絡むViane Escobarの妖艶なコーラスが実に素晴らしく、オールド・ソウルへの憧憬に留まらない現代的なコーラスワークが、新しい音楽体験を生み出していた。
中盤、“Price I'll Pay”に続いて“Will I See You Again”が披露され、会場が心地よいグルーヴに包まれるなか、7インチ盤愛好家の私にとって最大の衝撃は中盤に訪れた。まさかDream Teamの“There He Is”をカヴァーするとは。イントロが流れた瞬間、驚きのあまり文字通り身を乗り出した。ディープなレコード文化の血肉が通った、心憎い選曲センスに賛辞を送りたい。
後半、“Somebody Knew”ではAlex Garciaのドラムの圧倒的なスキルに平伏し、“On My Mind”では若きサックス奏者Camille Keraniのソロが炸裂。エモーショナルな音色に鳥肌が立った。開演前に本人たちから直接「ホーン隊は全員20代前半」と聞いて驚いたが、若さとは裏腹の成熟したプレイがバンドの音楽的体力を証明していた。
“Running Away”ではJoshuaがステージを飛び出し会場を縦横無尽に走り回り、フロアの興奮は最高潮へ。“Future Lover”ではメンバーが楽器を持ち替え、マルチプレイヤーとしての底知れないポテンシャルを見せつけた。
この日最大のハイライトは“Live For You”前のMCだった。Joshuaは今なお続く戦争やICE問題など緊迫する世界情勢に触れ、「まず自分自身を愛し、自分の人生を生きること。その一歩が世界の問題を解決することに繋がる」と静かに、しかし力強く語った。その姿は2026年に響く現代の“What's Going On”だった。
ラストの“Can I Call You Rose?”でイントロ一発、フロアから歓声が沸き起こり、70分・全19曲のステージは一気呵成に駆け抜け幕を閉じた。歴史的な第一歩を目撃できた喜びが、今も深く胸に刻まれている。