運に見放されっぱなしだ、食卓に出されたシチューに蜘蛛が入っていた─。なんとも印象的な一節で始まるバスター・ベントンの〈スパイダー・イン・マイ・シチュー〉は、数々のブルース名曲を生んだウィリー・ディクスンが書いた。南部に生まれたベントンは50年代にシカゴへと出て活躍。ソウル・ナンバーも吹込んでいるが、血管が浮き出るような力の入った歌を聞かせるこのスロー・ブルースが彼の代表作となった。シチューの蜘蛛は、妻を疑う男の不信感の象徴でもある。
A Spider In My Stew
B Dangerous Woman