2025.3.30

【SPECIAL INTERVIEW】ジェイレン・ンゴンダ ― 現代ソウル・シーンを牽引する才能の素顔

LONDON, ENGLAND - APRIL 23: Jalen N'Gonda performs at Bush Hall on April 23, 2018 in London, England. (Photo by Robin Little/Redferns)
ついに、ジェイレン・ンゴンダ(Jalen Ngondaにインタビューする機会を得ました。ヴィンテージな響きを纏いながらも、彼ならではのオリジナリティが息づく楽曲の数々。Daptone Recordsとの歩み、制作の裏側、音楽的ルーツをじっくりと語ってもらいました。
文/Jimmie Soul

――Daptoneから楽曲をリリースすることになった背景は?

ジェイレン 「僕が出演したBBCのジュールズ・ホランドのショーをDaptoneの共同創設者であるニール・シュガーマンが観てくれたことがきっかけでした。2021年にDaptoneと契約して、その後すぐにレコーディングを始めました。やっぱり、レーベルに所属したり、何かを録音したりすると、できるだけ早く世に出したくなるものですよね。でも、レーベル側の戦略もあって、最終的には約1年後のリリースになりました。ずっと自分の音楽を届けたいと思っていましたし、Daptoneはリリースする音楽にすごくこだわっているレーベルなので、ここから作品を出すのはすごく自然な流れだったと思います」

――レコーディングはアメリカで?

ジェイレン 「ニューヨークですね。でも、Daptoneのスタジオで録ったわけではなくて、ブルックリンの Hive Mind Recording というスタジオで録音しました。そこはDaptoneの近くにあるんですが、マイク・バックリーとヴィンス・キアリートのスタジオなんです。(注:2人はファンクバンド・IKEBE SHAKEDOWNのメンバーで、シャロン・ジョーンズ、チャールズ・ブラッドリー、リー・フィールズらのバックも務めている)」

――レコーディングはどう進めていますか?

ジェイレン 「制作のプロセスは、かなり基本に忠実なやり方ですね。まず、一緒に曲を書いて、それをデモにして、Daptoneに聞かせます。それが良さそうかどうか判断してもらうんです。それから、ミュージシャンを集めて、アレンジをして、各パートやストリングス、ホーンのアレンジをまとめて、時間をかけて仕上げていきます。レコーディングの段階になると、マイクがバンドのアレンジを担当し、ヴィンスが音のミックスやリバーブなどの調整を行います。僕はすべてのバックコーラスをアレンジし、楽器のディレクションもしています。自分でパートを考えたりするので、そういう役割も担っています。日々の流れはこんな感じですね。それが、制作の流れです」

――ソウル・ミュージックとの出会いは?

ジェイレン 「Motown を知ったのは、ある映画の予告編を見ているときでした。たしかテンプテーションズの映像を見ていて、その映画自体はすでに公開されていたんですが、DVDでその予告を見ていたんです。それを見た瞬間、一気に魅了されました。ちょうどその場に両親がいたんですが、Motown の音楽に出会ったのは完全に自分自身の発見でした。もちろん、親が持っていたレコードをたどった部分もありますが、彼らが持っていたのは主に70年代のソウルミュージックでした。でも、僕が夢中になったのは60年代のソウルで、父はあまりその時代の音楽を持っていませんでした。だから、『60年代の音楽は何か持ってる?』と父に聞いたら、『オーティス・レディングのCDならあるよ』と言われました。それからは、母が給料をもらうたびに、あるいは地元のショッピングモールに行くたびに、『Motown のCDを1枚買ってもいい?』と頼んでいました。また、図書館に通って Motown やロックンロールの歴史について調べ、そこで読んだミュージシャンのCDを探し続けるというサイクルを繰り返していました」

今回のインタヴュ―は、4月25日(金)発売のブルース&ソウル・レコーズ No.183の誌面でもWEB版と分けて掲載いたします。
是非そちらもお楽しみください。

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