足繁く通ったお店。そんな思い出の一店をこころの中にそっとしまっている人も多いでしょう。
「ブルース専門」を看板に掲げ、2014年9月にオープンした『Walter’s Juke』を営む山田哲也さんは、かつてブルースにどっぷりと浸からせてくれたレコード店への思いを胸に抱き続けている。
「ブルースは一生モノです」と語る山田さんをブルースの底なし沼へと誘ったのは、名古屋にあったブルースCD /レコードの専門店『NETWORK』だった。
「今も『NETWORK』があったら、自分でお店を始めようとは思わなかったかもしれない」と山田さんは話す。
山田さん(左)とNETWORK初代店主の鏡味氏
同店は、山田さんにブルースの素晴らしさをいろいろと教えてくれた。自分も同じように多くの人にブルースの素晴らしさを伝えられたら……そんな思いが高まり『Walter’s Juke』が誕生した。
店名を決める際には、『NETWORK』も候補に上がったというが、同店の初代店主である鏡味徹治氏に相談したところ「恥ずかしいから」とやんわり断られてしまったという。
そしてリトル・ウォルターの名曲から取られた『Walter's Juke』が生まれた。
現在購入できるブルースのCDやレコードの新品をいつでも買えるようにと、品揃えに力が入る。
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LP、CD、雑誌等がきれいにディスプレイされた店内
ジャイヴなどのブルース周辺ジャンルも取り扱う。
専門店は「通販のみ」というところも珍しくないが、『Walter’s Juke』は通販を主としながらも、名古屋市東区に店舗を構える。
「駅から遠くて」と山田さんが言うように、お店を訪れる人は多くはないそうだが、壁に飾られたレコードやCDを手に取りながら、気になる商品を選ぶワクワク感は、店舗でこそ味わえる。
山田さんは1970年生まれ。お兄さんの影響で洋楽を聴くようになり、高校に入るとローリング・ストーンズに夢中になった。
それがブルースの入り口だった。
その後は、愛読の参考書『ブルース・レコード・ガイドブック[1991改訂版]』と『ブルースCDガイド・ブック』に掲載されたレコードとCDを買い集める日々。
とくに好きなブルースは、ダウンホームなシカゴ・ブルースやサザン・ブルースだ。
お気に入りのブルース・アルバムを一枚上げるとしたら?との難題には、『ベスト・オブ・マディ・ウォーターズ』と返してくれた。
「ブルースを若い人にも聞いてもらいたい」と語ってくれた山田さん。
ブルースの魅力を次の世代にも伝えていくには、『Walter’s Juke』のようなお店が必要なのだ。
(ブルース&ソウル・レコーズ No.131掲載/取材2016年)
ホームページ
www.waltersjuke.com/
営業時間
営業時間 15:00~20:00
愛知県名古屋市東区古出来二丁目3-12
山崎コーポ1F
電話 052-726-6997
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