2025.10.10

【LIVE REPORT】Yufu『Heal Me Good』日本盤リリース記念・来日フリーライヴ "日本のソウル・コミュニティ"を巡る旅

9月25日、東京・タワーレコード渋谷店を皮切りに、大阪、そして高松へ——。
台湾のソウル・ミュージシャンYufuがファースト・アルバム『Heal Me Good』の日本盤リリースを記念して行ったフリーライヴは、まるで"日本のソウル・コミュニティ"を巡る旅のようだった。

道中、彼は各地のソウル・バーにもふらりと立ち寄り、そこで出会うマスターや常連客と自然にソウル談義を交わしていたという。「"ソウル・バー"という呼び方が日本にしかないと知って驚きました。でも、それがすごくリアルで美しい文化だと思う」 誰に対してもオープンで、そして謙虚、音楽を通じて心を通わせようとする姿勢に、日本のソウル・ファンたちは一層心を掴まれていった。

今回はまだバンドを従えず、エレキギター1本でのソロ弾き語り。

しかしそのステージは、静かに燃えるような熱を帯びていた。彼の指が弦に触れるたび、ギターの響きがまるで呼吸をするように空気を震わせ、声が重なると一瞬で会場の温度が上がる。SNSには「まるで70年代にタイムスリップしたようだ」といった声が相次いだ。派手な演出などなくとも、彼の歌には確かな"グルーヴ"と"温もり"が宿っていた。

Yufuは3公演を終え、こう語った。「日本のソウル・コミュニティには深い愛とリスペクトを感じます。どこへ行っても、ひとつの大きな家族のようなんです」

その言葉どおり、ライヴでは観客との距離が自然と近づいていく。『Heal Me Good』収録曲を中心に披露する中で、コール&レスポンスも起こり、彼自身「日本の観客はもっとシャイかと思っていたけど、全然違った」と笑顔を見せた。

そしてツアー最終日となった高松オルネパークでは、私Jimmie Soulとのトークショーも実現。この日のステージでYufuは、まだ公にしていない次回作の構想についても特別に語ってくれた。
「帰国したらすぐに次のアルバム制作に入ります。テーマは"人生"——勝つことも負けることも、その中でどう立ち上がるか。そして、台湾でも日本でも感じた"クラブのヴァイブ"を詰め込みたいんです。サウンド的には『Heal Me Good』が74年ならば次作は70年から71年の雰囲気かな」

この発言に、会場からは大きな拍手と歓声が沸き起こった。
彼にとって日本のソウル・ファンとの出会いは、"共通言語"の発見でもあった。今回のツアーは、彼の中の"ソウル"が国境を越えて響き合う瞬間を、確かに証明してみせた。

そしてすでに帰国後はフェス出演やライヴの予定が数多く決まっており、アジア各地からのオファーも絶えない。Yufuの名は、いままさにアジア・ソウルの新たな旗印として広がりつつある。
その熱が日本にも確実に拡がっていることを今回会場に参加した人は皆感じたのではないだろうか。フルバンドでのライヴを期待する声は日増しに大きくなっており、もちろん彼自身もその瞬間を心から待ち望んでいる。

彼の音楽が再び日本のステージで鳴り響くとき、そこには70年代のソウルと、今を生きるリアルな感情が、もう一度美しく溶け合うはずだ。

【Jimmie Soul Radio】にて10月16日にYufu特集放送が決定!

香川県の西日本放送ラジオFM90.3/AM1449
毎週木曜日夜11時~11時30分
x.com/jimmie_radio

文・写真:Jimmie Soul

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