今もなお多くの人に愛される映画『ブルース・ブラザース』(80)のジェイク役などで知られる故ジョン・ベルーシの生涯を描いたドキュメンタリー映画『BELUSHI ベルーシ』(原題:BELUSHI)が、12月17日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開することが決定した。
本作は、アメリカ・イリノイ州で育った幼少期から、コメディアン、ミュージシャン、俳優として成功をおさめるも、人気絶頂の1982年に33歳という若さで薬物の過剰摂取により亡くなるまで、破天荒だが憎めないキャラクターで人気を博し、アメリカン・コメディ界に革命を起こした天才ベルーシの嵐のように駆け抜けた人生を、愛ある目線で辿っていく。
“アルバニア移民の家庭に生まれ、よそ者と見られることに対しての処世術と成功への願望からか、幼少期から自然とユーモアを身につけたベルーシ。彼は、学生時代にはバンド活動や寸劇をするグループの中心人物として周りを笑わせる存在になる。その後、シカゴの即興コメディ劇団からキャリアをスタートし、その成功を機にニューヨークへ拠点を移す。舞台、ラジオ、TVや映画の他、ライブアルバムを発売すると大ヒット。話題が話題を呼び、あらゆるジャンルで大成功をおさめる。しかし、あまりにも早くアメリカン・コメディの象徴的存在になったことは、彼に大きなプレッシャーとなってのしかかっていき……。"
『ビリー・アイリッシュ 世界は少しぼやけている』(21)のR・J・カトラー監督が手掛けた本作で使用されるのは、『ブルース・ブラザース』の他、コメディ番組「サタデー・ナイト・ライブ」や、映画『アニマル・ハウス』(78)、『1941』(79)など、輝かしい日々を振り返るアーカイヴ映像、親友で俳優のダン・エイクロイドや、弟で俳優のジェームズ・ベルーシ、映画監督のジョン・ランディスなど関係者たちへのインタビュー、ロックバンド「ゴリラズ」のMVなどで知られるイラストレーター、ロバート・バレーが手掛けた、人生の貴重な瞬間を表現するアニメーション。さらに、高校時代からの恋人で、後に妻となるジュディスが製作に協力したことで使用が実現した、彼女の自宅の地下室に保管されていた、貴重な未公開音声テープと、ベルーシがジュディスに宛てた大量のラブレターや詩が物語を牽引していく。それらから見えてくるのは、常識にとらわれないベルーシの類まれなる才能だけでなく、愛、思いやりに溢れる妻への温かな思い、そして人気と名声を手に入れたことで彼に降りかかる様々な問題、重圧との闘い、傷つきやすくナイーブな一面だった。
ジュディスは本作について、「ジョンがどんな人物だったかを、いろんな人たちと分かち合いたいと思った。彼がまたたく間に人生を生き抜いた様子、そしてどんなに多くの人たちに影響を及ぼしたかをね」と語っている。
当時、アメリカで誰もが大好きだった才能あるエンターテイナーの短くも強烈で儚い命の火。華々しい成功や偉業の裏で彼が何を感じていたのか。唯一の遺族公認ジョン・ベルーシ伝記映画を映画館で目撃して欲しい。