時代の中で再評価される作品を掘り起こし、感性のある若い世代にも伝えたい音楽映画をテーマに、音楽・映画・ファッションなど、多ジャンルそれぞれの経験者が作品の候補出し、選定、吟味した『PARCO音楽映画祭』が渋谷シネクイントで、11月3日(木・祝)~2022年11月10日(木)の期間で開催される。
本映画祭では、1972年8月20日、ロス・アンジェルスのメモリアム・コロシウムでスタックス・レコードのアーティストたちが出演した大野外コンサートのドキュメンタリー作品『ワッツタックス スタックス・コンサート』や、本誌No.159でも特集したアリサ・フランクリンによる幻のコンサート・フィルム『アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン』のほか、『メイキング・オブ・モータウン』『ノーザン・ソウル』など全10作品が特集上映される。
『アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン』
『ノーザン・ソウル』
『メイキング・オブ・モータウン』
【PARCO音楽映画祭 概要】
上映日程: 2022年11月3日(木・祝)~2022年11月10日(木)
鑑賞料金:1900円均一 ※一部対象外の作品もございます。
会場:渋谷 シネクイント CINE QUINTO 東京都渋谷区宇田川町 20-11 渋谷三葉ビル 7F
主催:パルコ エンタテインメント事業部 映画事業
公式HP:www.cinequinto.com/shibuya/
※新型コロナウィルスの感染拡大状況により、急遽上映が中止、作品が一部変更となる可能性がございます。
チケット発売日などの詳細は確定次第、劇場HPにてご案内いたします。
【作品選定ポイント】
音楽やアーティストの魅力だけにとどまらず、その時代のファッションや文化、パフォーマンスのパワーや熱量が堪能できる作品となっております。また、配信でもなかなか観ることが出来ない貴重な作品から、爆音上映で知られるboidの音響調整チームがシネクイントの機材を最大限に活かし、耳ではなく身体全体で音を聴き、感じることを目指し調整した「boidsound」で上映する作品も多数ラインナップいたしました。
【ラインナップ】
数ある音楽映画から、多ジャンルのスタッフが実際に作品を鑑賞し選定!圧巻のパフォーマンス、今見ても色あせないファッションや当時の文化的な背景から生み出される熱気まで、刺激や感動が詰まった一度は観てほしい10作品。
①「サマー・オブ・ソウル」ファン必見!伝説のフェスを捉えた貴重な1本
『ワッツタックス スタックス・コンサート』
真夏に展開された黒人アーティストのみのコンサートを描いたドキュメンタリー。
1972年8月20日午後3時、真夏の暑い太陽の下、ロス・アンジェルスのメモリアム・コロシウムに10万人の観衆がつめかけた。ソウルの名門レーベルであるスタックス・レコードのアーティストたちのほとんどが出演し、およそ6時間にわたって繰り広げられた伝説の大野外コンサート。
②カルト的人気を誇るロック・ミュージカル
『トミー』
イギリスを代表するロックバンド「ザ・フー」が1969年にリリースしたアルバムで、ロック・オペラというジャンルを確立し、彼らの代表作となった名盤「トミー」を映像化した伝説的ロック映画。ザ・フーのメンバーをはじめ、エルトン・ジョン、エリック・クラプトン、ティナ・ターナーらそうそうたる顔ぶれのミュージシャンたちが出演。さらに、ジャック・ニコルソン、アン=マーグレット、オリバー・リードら名優たちが歌と踊りを披露している。日本では76年に公開され、カルト的人気を集めた。監督・脚本は「肉体の悪魔」「マーラー」の鬼才ケン・ラッセル。
③キューバ音楽と巨匠達の生き様、独特のファッション・キューバの街並み すべてが混ざり心に響く!
『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』
ライ・クーダーがキューバ音楽の巨人たちと創り上げた同名アルバムが大ヒットを記録し、1997年グラミー賞を受賞。ドイツの巨匠ヴェンダースが、キューバを再訪するライ・クーダーに同行し、メンバーとの交流やステージ映像を交えつつ、彼らの素晴らしい音楽とそれぞれの人生を映し出していく。
④『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス』
「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」から18年を経て、現メンバーによる最後のツアーを追ったドキュメンタリー。彼らのプロとしてのキャリアの浮き沈みやこれまで歩んできた旅路、さらにメンバーの死にも迫る。前作で監督を務めたヴィム・ヴェンダースが製作総指揮を務めた。
⑤熱狂のコンサートフィルムをboidsoundで!
『アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン』
1972年1月にロサンゼルスのニュー・テンプル・ミッショナリー・バプティスト教会でおこなわれたライブの模様をポラック監督がドキュメンタリー映画として撮影。その後、技術トラブルに見舞われて未完となっていたが、その素材をもとに半世紀近い時間を経て完成。音楽史を塗り替えたと言われる幻のライブがスクリーンに蘇る!
⑥クリエイティブとビジネスの融合が秀逸!
『メイキング・オブ・モータウン』
伝説の音楽レーベル「モータウン」の創設者ベリー・ゴーディに初・密着!ジャクソン5、スティーヴィー・ワンダー、スプリームス、マーヴィン・ゲイ、テンプテーションズなど数多くのアーティストを輩出した秘密のノウハウが、遂に本人の口から明かされる。
⑦当時のユースファッション・カルチャーは必見!
『ノーザンソウル』
1960年代にイングランド北部の労働者階級の若者たちから生まれた音楽ムーブメント「ノーザン・ソウル」の最盛期である70年代を舞台に描いた青春ドラマ。人気ファッションフォトグラファーのエレイン・コンスタンティンが初メガホンをとり、自身が体験した当時の熱狂をリアルに描き出す。
⑧幸福感と高揚感に満ちた、至福のライブムービー!
『SAYONARA AMERICA』
細野晴臣が2019年にアメリカで初めて開催したソロライブの模様を収録したライブドキュメンタリー。アメリカの舞台で軽やかに、自由にギターを奏で、歌う細野の姿を収めるとともに、彼が語る思いなども記録した。監督は「NO SMOKING」に続いて佐渡岳利が務めた。
⑨77台のドラム炸裂!前代未聞の音楽体験
『77BOADRUM』
国内外で活躍するバンド「ボアダムス」が2007年7月7日にニューヨークで敢行したライブイベント「77BOADRUM」を捉えたドキュメンタリー。ボアダムスのコンセプトを基に77台のドラムで一斉に演奏された圧巻のパフォーマンスを中心に、2日間にわたって行なわれたリハーサルの模様や関係者へのインタビューなどを交える。驚愕ライブパフォーマンスの実態をスクリーンで!監督はこれまで多くのミュージシャンのPVを手がけてきた川口潤。
⑩公開に先駆け先行上映!
『はだかのゆめ』
2人組バンド「Bialystocks」で音楽活動も行う映画作家・甫木元空が、2016年の劇場デビュー作「はるねこ」に続いて撮りあげた長編第2作。11月25日(金)からの公開に先駆けて、boidsoundによる先行プレミア上映。高知県・四万十川の流れる地に暮らす一家の物語を、若くして両親を亡くし祖父と暮らす甫木元監督自身の体験を投影しながら描き出す。「うみべの女の子」の青木柚が主演を務め、「三年身籠る」など監督としても活動する女優の唯野未歩子、シンガーソングライターの前野健太が共演。
■boidsoundとは?
爆音上映で知られるboidの音響調整チームが、音楽ライヴ用の機材を映画館に持ち込むのではなく、映画館にあらかじめ備え付けられた機材のみを使って映画一本一本の音を調整。耳ではなく身体全体で音を聴き、感じることを目指し音量を上げ、映画の音響のバランスをとることによって映画と映画館と観客の身体の可能性を最大限に広げる試みです。10作品の内、 1作品を除き全てboidsound上映です。