RECORD
2018.5.6

LAURA TAYLOR / Dancin’ In My Feet

マイアミ・ディスコで大きな一歩 現ジャズ・シンガーの出発点
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 ローラ・テイラーは現在、ジャズ・シンガーとして活動し、ラスヴェガスで歌ったり、テレビ番組にも出演しているというから、アメリカのショウビズでしっかり成功を収めていると言っていいだろう。

 そんな彼女がTK傘下のグッド・サウンズ(Good Sounds)から1979年に発表した本作は、映画『サタデー・ナイト・フィーバー』のサントラでも活躍したマイアミのクライテリア・スタジオのセッションマンたちがバックを固めており、時代の勢いに乗って作られた白人女性シンガーによるお手軽ディスコ・アルバムと思われてしまいそう。しかし、アルバム収録曲中7曲でソングライティングに関わった彼女は、使い捨てされるようなタマではなかった。

 ウィスパー・ヴォイスで歌う・、ギターのカッティングが軽快に響くディスコ・チャート4位を記録したタイトル曲・、ドラムとパーカッションのイントロからギター、ベースと徐々に楽器が重なり、高揚感を煽る・と、LPのA面を占める3曲はいずれもマイアミ産らしい太陽が降り注ぐ、キャッチーなディスコ・ナンバーで、インドア派でも外に飛び出したくなる。一転、LPのB面にあたる・以下は耳馴染みのいいメロディを生かしたスロー、ミディアムを交えて、ローラのソングライターとしての才が発揮されている。美しいポップ・バラード・など、後にダイアナ・ロスに楽曲を取り上げられるのも納得の完成度の高さだ。このアルバムは彼女にとって、その後のキャリアのステップアップの大きな足がかりとなったのは間違いない。なお、・は〈恋のディスコ・マジック〉の邦題で、・とのカップリングで日本盤シングルが出ていた。(濱田廣也)

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