2018.11.8

好評「ナゲッツ」シリーズにR&B/ソウル編『ラヴ・ランド』登場

ラヴ・ランド ~ワーナー・ポップ・ロック・ナゲッツ

 世界初/日本初CD化曲も多く含むコンピレーション・シリーズ「ワーナー・ポップ・ロック・ナゲッツ」に、R&B/ソウル編『ラヴ・ランド』が登場した。膨大なカタログを抱えるワーナーミュージックならではの、幅広い選曲が楽しめる。

 今夏発売された同社の『ドゥー・ワップ・ナゲッツ』3作は、山下達郎選曲による内容がそのマニアック度の高さにもかかわらず多くのファンに支持され異例のヒットを記録した。音楽ファンが抱く、良質音楽案内人としての山下達郎への信頼の高さをあらためて知らしめると同時に、埋もれた良質の音楽をどうパッケージして音楽ファンに届けるかを考えさせもした。ワーナーの「ナゲッツ」シリーズはその一つの成功例となるだろう。

 同シリーズはヒット曲や有名曲も収められているが、その多くは「知られざる名曲」だ。ポップス通や「達郎ファン」の支持も厚く、順調にタイトルを重ねている。その第5、6、7弾が同時発売となった。米国産ポップス編の『ナイス・フォーク』(WPCR-17948)、英国産ポップス編の『アイ・ヒア・ユー・ノッキング』(WPCR-17949)、そしてR&B/ソウル編の『ラヴ・ランド』(WPCR-17950)だ。

 『ラヴ・ランド』には1961~71年の間に発表された曲が収録されている。ちょうどソウル・ミュージックが生まれ、発展していく時期と重なる。冒頭のクリス・ケナーのニューオーリンズ産人気ダンス・ナンバー「アイ・ライク・イット・ライク・ザット(パート1)」が1961年作で少し古いが、2曲めのバーバラ・ルイスからは1964年以降の作品が並ぶ。ほとんどがアップ・テンポのダンス・ナンバーで、同時期に隆盛を極めたモータウン作品とも共通するビートを持った曲も多い。モータウンが居を構えたデトロイト産ダンサーではキャピトルズの「クール・ジャーク」が有名だ。1966年にカレン(Karen)から発表され、バックを務めたのはモータウンのセッション・ミュージシャンであった。

 もちろんデトロイトだけでなく、ニューヨークやメンフィス、ロサンジェルスなど、全米各地の作品が収められ、多彩なサウンドが楽しめる。リンダ・ジョーンズの狂おしいほどの情熱が込められたバラード「ヒプノタイズ」は27歳で亡くなった彼女の実力を知るのに最適な曲だ。1970年前後の作品にはミディアムの佳曲が並び、ヒップホップのサンプリング・ソースとしても知られるザ・ファズの「アイ・ラヴ・ユー・フォー・オール・シーズンズ」など、後にクラブ・カルチャー経由で再評価された曲も収録された。
 ブックレットには、平野孝則氏による読み応え十分の各曲解説、全曲の歌詞が掲載されている(歌詞対訳は無し)。

ラヴ・ランド ~ワーナー・ポップ・ロック・ナゲッツ Vol.7
(ワーナーミュージック WPCR-17950)[CD]
定価¥1,600(本体)+税

1. CHRIS KENNER: I Like It Like That, Part 1
2. BARBARA LEWIS: Pushin’ A Good Thing Too Far
3. THE APOLLAS: Lock Me In Your Heart
4. TAMI LYNN: I’m Gonna Run Away From You
5. THE COASTERS: Crazy Baby
6. DEON JACKSON: Love Makes The World Go Round
7. THE TRUE TONES: He’s Got The Nerve
8. CHARLES THOMAS: The Man With The Golden Touch
9. THE CAPITOLS: Cool Jerk
10. CARLA THOMAS: B-A-B-Y
11. LINDA JONES: Hypnotized
12. DARRELL BANKS: Angel Baby (Don’t You Leave Me)
13. SOUL BROTHERS SIX: Some Kind Of Wonderful
14. ROY REDMOND: Ain’t That Trerrible
15. AESOP’S FABLES: Take A Step
16. THE THREE DEGREES: Contact
17. FATS DOMINO: Lady Madonna
18. THE SOUL SURVIVORS: Go Out Walking
19. J.J. JACKSON: But It’s Alright
20. CANDI STATON: I’d Rather Be An Old Man’s Sweetheart (Than A Young Man’s Fool)
21. ARCHIE BELL & THE DRELLS: Here I Go Again
22. CHARLES WRIGHT AND THE WATTS 103rd STREET RHYTHM BAND: Love Land
23. THE FUZZ: I Love You For All Seasons
24. BROOK BENTON with THE DIXIE FLYERS: Heaven Help Us All
25. HONEY & THE BEES: We Got To Stay Together