ブルース&ソウル・レコーズ

【BSR Playlist Archives】第11回 山﨑智之

ブルース&ソウル・レコーズがゲストを招き、ブルース&ソウルの魅力を紹介するプレイリスト企画『BSR Playlist Archives』。第11回のゲストは音楽ライターの山﨑智之さん。

その音楽への深い造詣と海外育ちの英語力でこれまでに1,200人以上のアーティストをインタヴュー。本誌をはじめ様々な媒体で活躍中で、『ロックで学ぶ世界史』『ロック・ムービー・クロニクル』『ダークサイド・オブ・ロック』などの著書もある。今回、山崎さんにはブルースを感じるハード・ロック/ヘヴィ・メタル=「Blue & Heavy」をテーマに選曲していただいた。本誌的には異色の爆音轟くプレイリストを楽しんでいただきたい。

なお、本誌No.168に山﨑さんによるバディ・ガイ最新インタヴューが掲載されています。そちらもぜひチェックを。

プレイリストはこちらから!

Vol.11「BLUE & HEAVY

(山﨑智之さんによるコメント)

マディ・ウォーターズはブルースの巨人という称号に甘んじることなく、1958年の初渡英ではエレクトリック・バンド編成のライヴを行い、『エレクトリック・マッド』(1968)でサイケに接近、1980年の来日公演も論議を呼ぶなど、(評価はともあれ)変化することを止めませんでした。

ハード・ロックやヘヴィ・メタルもまた、ブルースのひとつの変化の産物です。悪魔に魂を売る主人公、イカした自動車、男の心をかき乱すセクシー女性などはいずれもブルースで歌われてきた題材ですが、マーシャル・アンプの壁による大音量サウンド、ギター・ヒーローの超絶速弾き、カリスマ・シンガーのシャウト、大地を揺るがす爆音ドラミング、血噴きや臓物投げなどを得て、よりヘヴィでエクストリームなものになっていきました。

「こんなのブルースじゃねえ!」という声も、もちろんあるでしょう。だが決して望まれない子供たちであっても、彼らはブルースの産み落としたチルドレンなのです。あなたが「ブルースとは何か?」と考えるきっかけになるかも知れないセレクション、惜しみない愛を注いであげて下さい。

【プロフィール】

山﨑智之
音楽ライター。30年近くのキャリアで 1,200人以上にインタビュー、その中にはB.B.キング、ジョン・リー・フッカー、ボ・ディドリー、ジョニー“ギター”ワトスン、ルー・テーズ、デストロイヤーなども含まれる。絶賛寄稿中のYahoo!ニュースではアリゲーター・レコーズの総帥ブルース・イグロアへのロング・インタビューやカーク船長=ウィリアム・シャトナーがブルースを語るインタビューも掲載されているので是非ご覧いただきたい。

news.yahoo.co.jp/byline/yamazakitomoyuki