2021.8.23

【BSR Playlist Archives】第3回 永井ホトケ隆

ブルース&ソウル・レコーズがゲストを招き、ブルース&ソウルの魅力を紹介するプレイリスト企画『BSR Playlist Archives』。第3回のゲストは、本誌で「Fool’s Paradise」を連載中、70年代から今日に至るまで日本のブルース・シーンを牽引してきたヴォーカリスト&ギタリストの永井ホトケ隆氏。

今回は、半世紀にわたりブルースを歌い続けてきた永井ホトケ隆氏にとびきりの「ブルース名唱」をセレクトしていただいた。ハウリン・ウルフやマディ・ウォーターズ、ライトニン・ホプキンス、B.B.キング、オーティス・ラッシュらが独特の声で紡ぐ歌には理屈を超えた力が宿っている。これぞブルース!といいたい15人15曲をお楽しみいただけたらと思う。(photo by 山下聡一郎)

プレイリストはこちらから!

Vol.3「ブルース名唱15撰」

(永井ホトケ隆氏によるコメント)
昔、某音楽学校からブルース・ヴォーカル教室をやってくれないかという依頼を受けたことがある。すぐさま丁重にお断りした。ブルースの歌は教えるようなものではないし、教えられない。歌声が何オクターブ出るとか音域が広いとか発声がどうのとか歌唱テクニックが云々という音楽的な規範がブルースには全くない。だから今回挙げた15曲も私が個人的にこれぞブルースと感じる歌であり、一般的な「名唱」と言えるかどうかはわからない。

15人の偉大なブルースマンは声質も違えば歌い方も様々だ。泥臭い歌から洗練された歌、ゴスペルの影響が感じられる歌もあればダウンホームな歌もあり、語るように歌うものもあり地声に魅力がある歌もある。そのひとつひとつの曲にそれぞれのブルースマンの人間性や人生観を感じることもあり、歌った時の心象風景が浮かんだり、その時の社会状況を知ることもある。そしてもちろんダンス・ミュージックでもあるブルースのグルーヴに心と体を揺らす楽しさもある。長い歳月歌われ続け、聞き続けられて来た15曲のブルースを楽しんでください。

 

【永井ホトケ隆 プロフィール】
1950年三重県松阪市生まれ。1972年「ウエストロード・ブルースバンド」結成。同年秋B.B.キングのオープニング・アクトを務めて以降、日本のブルース・シーンを牽引し「ブルー・ヘヴン」と「トリック・バッグ」を経てソロ活動、そして現在は10年以上に渡り「ブルーズ・ザ・ブッチャー」で録音、ライヴ活動を続けている。『大阪ブルーズ・スピリッツ』(毎日放送ラジオ)、神戸KISS FMなどでラジオ番組のDJ活動を行い、現在も弘前市Apple Waveをキー局にブルース番組『BLUES POWER』のDJを担当している。『ブルーズ・パラダイス』などエッセイ本を上梓し、現在は『ブルース&ソウル・レコーズ』誌にて「Fool’s Paradise」を連載中。「永井ホトケ隆のブルース夜話」というブルースのトーク&ライヴも各地で長く続けている。

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