「第45回ぴあフィルムフェスティバル2023」が9月9日(土)〜23日(土)に国立映画アーカイブにて開催。黒いウッドストックと呼ばれた1972年の伝説的フェス、黒人ミュージシャンが集結した奇跡のコンサートの傑作ドキュメンタリー 『ワッツタックス』が第45回ぴあフィルムフェスティバルで上映決定!
2019年より続けてきた、ピーター・バラカンさんの解説で楽しむ音楽映画シリーズ「ブラック&ブラック」では、ブラック・ミュージックにまつわる音楽映画を紹介してきた。5年目を迎える今年は、音楽ファンの間ではよく知られている貴重なドキュメンタリー映画の傑作『ワッツタックス』の上映がついに実現。
1972年に行われた伝説の音楽フェスを記録した貴重な映像の数々。ソウル・ミュージックファンには必見のドキュメンタリー映画である。ぴあフィルムフェスティバルの上映では、音楽ファンからも賞賛された1989年日本公開当時の石田泰子さんによる字幕でデジタル版が大スクリーンで蘇る。配信上映は行われないため、このバージョンを観られるのはこの上映だけ!
『ワッツタックス』の上映に合わせて、2名のゲストを招いてトークショーも開催。
<日時>
2023年9月19日(火)19:00
上映後ピーター・バラカン氏によるトーク
2023年9月20日(水)18:30
上映後土屋和代氏(東京大学教授)解説「1965年ワッツ蜂起とアート」
<会場>国立映画アーカイブ 長瀬記念ホールOZU(東京都中央区京橋3-7-6)
<チケット>一般1,500円/高大生700円「チケットぴあ」にて8月19日より販売開始予定
詳細は第45回ぴあフィルムフェスティバル特設サイト(pff.jp/45th/)よりご覧いただけます。
【ピーター・バラカン氏よりコメント】
「ブラック・イズ・ビューティフル」が流行語だった1972年、ノリに乗っていたメンフィスのスタックス・レーベルがLAのスタジアムを征服。最先端のミュージシャンたちにも負けない客席のカッコ良さが大きな見どころの『ワッツタックス』はお祭りのつもりで見てください!
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「ワッツタックス・コンサート」について
1965年、L.A.で起きた「ワッツ暴動(蜂起)」から7年を記念して、ソウル音楽のレコードレーベル、スタックス・レコードが企画したこのチャリティー・コンサートは、当時スタックス・レコードの人気アーティストたちが集結。11万2,000人を動員し、“黒いウッドストック”と呼ばれる歴史的な出来事となった。
MCを務めたのは公民権運動家として知られるジェシー・ジャクソン。冒頭、彼の有名なスピーチ「I am somebody」に、会場を埋め尽くした人々が呼応するシーンは圧巻。そしてステージには、アイザック・ヘイズ、ステイプル・シンガーズ、ルーファス・トーマスなど大物アーティストたちが次々と登場し、エネルギッシュなパフォーマンスに大観衆が熱狂に包まれていく。
人種差別やヘイト・クライムなど社会問題に関心を持つ人にも見ごたえ
スタックス・レコードの社長アル・ベルは、このドキュメンタリーで 「アフリカ系アメリカ人の音楽や文化、ライフスタイル、そして黒人のプライドを称える歌を世界に示そうとした」という。映画は、コンサートの記録だけでなく、ワッツ地区に生きる人々のインタビューを交え、当時のアフリカ系アメリカ人の置かれた状況を浮かび上がらせている。黒人運動の歴史やブラック・ライブズ・マター運動に関心を持つ人にも、見ごたえたっぷりの貴重なドキュメントです。
海外で高い評価を受ける名作
このドキュメンタリーは、制作された翌年の1974年、ゴールデングローブ賞の〈最優秀ドキュメンタリー賞〉にノミネートされたほか、後年カンヌ映画祭やサンダンス映画祭など、名だたる国際映画祭で傑作クラシック作品として上映されてきました。また、2020年には「文化的、歴史的、または美学的に重要」な映像作品として、米国議会図書館による米国国立フィルムレジストリへの保存が決定されました。
『ワッツタックス』
監督:メル・スチュアート
出演アーティスト:アイザック・ヘイズ、ステイプル・シンガーズ、エモーションズ、ルーファス・トーマス、バーケイズほか
特別出演:リチャード・プライヤー/ジェシー・ジャクソン
1973年/アメリカ/102分
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