ブルース&ソウル・レコーズ

【特集:伝えておきたいブルースのこと】㊷颯爽と現れたブルース兄弟

ブルース・ブラザースの映画パンフレット(左)とチラシ。「遂に出現スーパー・ロック・ヒーロー!」というコピーが見られる

この映画がきっかけでブルースやソウルに夢中になった人のなんと多いことか。アクション・コメディ映画としての面白さに加えて、音楽映画としての満足度も高い『ブルース・ブラザース』は、愛と笑いに満ちたブルース&ソウルの最大の入口だ。

ブルース・ブラザースは、ジョン・ベルーシ(ジェイク・ブルース)とダン・エイクロイド(エルウッド・ブルース)が、自分たちが愛する音楽を楽しむために作り出したという。1977年に人気テレビ番組「サタデー・ナイト・ライヴ」に出演し人気を得ると、78年にはロスのアンフィシアターでライヴを敢行。その模様を収めたアルバムが彼らのデビュー盤となった。発売後、ぐんぐんチャートを上り、ついには首位を獲得する。彼ら二人を支えたバック・バンドがすごい。50年代から活動するブルース・ギター名人、マット〝ギター〟マーフィー。スタックスで数々のソウル/ブルース名曲を生み出した、ギタリストのスティーヴ・クロッパーとベースのドナルド〝ダック〟ダン。セッション・ドラマーとして引っ張りだこのスティーヴ・ジョーダンなど、一流が揃っている。

1980年にはジョン・ランディスを監督に迎え映画『ブルース・ブラザース』が全米で公開された。こちらも大ヒット。もともとベルーシは映画化の構想を抱いていたようで、本作は「ブラック・アメリカン・ミュージックに対する賛辞」だと語っている。それは出演者を見ても明らかだ。キャブ・キャロウェイ、ジョン・リー・フッカー、レイ・チャールズ、ジェイムズ・ブラウン、アリサ・フランクリン。1920年代から70年代にかけて、ジャズ、ブルース、リズム&ブルース、ソウル、ファンクと、ブラック・ミュージックの主流となるジャンルの重要人物が、彼らに相応しい役柄で登場する。たとえ伝説的な彼らのことを知らなくても、その音楽とパフォーマンスで圧倒してくれる。公開当時のアメリカでは本作について、ブルースや黒人に対する侮辱だという批判もあったそうだが、出演したジェイムズ・ブラウンは、映画には愛情があり、自分たちのことを知ってもらうチャンスでもあると語ったという(『キネマ旬報』1981年2月号 黒丸尚氏の記事より)。

映画公開からわずか2年後にジョン・ベルーシは薬物の過剰摂取により死去。33才の若さだった。

彼の死後も、ブルース・ブラザースの映画を通してブルースとソウルに目ざめる人は後を絶たない。黒ずくめのブルース兄弟の音楽への愛情は永遠だ。


Blues Brothers / Briefcase Full of Blues
(Atlantic SD 19217) [1978]
The Blues Brothers - Original Soundtrack Recording
(Atlantic SD 16017) [1980]
日本盤は「ブルースは絆」と邦題が付いた、彼らのファースト・アルバム(右)と映画のサントラのセカンド・アルバム


ベスト・オブ・ブルース・ブラザース
(パイオニアLDC PILP-1123) [1993]

1978/79年の「サタデーナイト・ライブ」、79年のコンサート・ツアーなどを収録したレーザーディスク


1998年には続編『ブルース・ブラザース2000』が公開された

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